老後資金を用意する重要性が叫ばれるようになっていました。

その老後資金の根幹となるのはやはり年金。

なのですが、現在2,30代の世代はもらえるのでしょうか?正直、1987年生まれの私は危機感を持っています。

そんな2,30代がどう考えて、どうしていくべきなのかをFPの視点より考えました。

(実は私、FPの資格も持っており、たまにアドバイスをしています。)

年金はいつからもらえるのか?

そもそも、我々の世代は年金はいつからもらえるのでしょう?

昔は55歳から受給できた年金は今は65歳となり、70歳への引き上げも検討されています。

そもそも年金がどういう設計思想なのかを知れば、未来の予測もある程度見えてきます。

当初は55歳からの支給で支給期間も短い想定だった

日本で厚生年金が作られたのは大戦中の1944年。

あの状況下で年金制度ができたのは画期的なことに間違いないと思います。

 

戦後、日本の平均寿命は67.7歳(1960年)でした。男性の方が短く、女性の方が長いのは昔も今も変わりません。

その状況下で、厚生年金は55歳からもらえるという制度でした。(1954年より受給年齢の引き上げが行われています)

年金の受給開始から平均寿命までは約12年。その12年間の生活資金として年金は設計されたのです。

その後、平均寿命が長くなるのに従って年金受給開始年齢も65歳へと引き上げられました。

現在の平均寿命で65歳の支給だと支給期間は18年となる

さて、日本の現在の平均寿命は83.8歳(2015年)です。

65歳から年金がもらえるとして、年金で生活をする期間は18年。

もともとの設計よりも長い期間を年金がもらえることになりますね。

もちろん長くもらえるのは嬉しいのですが、財源には限りがあり設計を越えた支払いができるはずがありません。

今、年金受給年齢の人口が急激に増えており、年金を支払うためには若い世代の負担額を上げなければならない、ということが実際に起きており、現在行われているのです。

100年生きる時代の年金の姿は?

さて、最近100年ライフという言葉をよく聞くようになりました。

ライフ・シフト(LIFE SHIFT)という本で提唱された考え方で、一部疑問の声もあるものの概ね正しいと認識されていますし、私も100歳位まで生きるように考えています。

そうなると、当初の設計では年金で生活する期間は12年。現在は18年。それをそのまま当てはめると、85歳くらいから年金を受給することになってもおかしくありません。

80歳、というのは現実的にもあり得る数字でしょう。というか、そうでもしないと年金制度は維持できません。

 

しかし、現在定年を超えた方々の再雇用は厳しく、60歳以降は収入が激減するのがサラリーマンの常識。

日本経済が先細りしていく未来において、賃金を抑える動きは続くと考えるのが自然です。

もちろん、我々世代は大学を卒業してから60年間近く働くことになるため、生涯現役となるように仕事の幅を増やしたり、独立したりと仕事の考え方も変えていく必要があるはずです。

それと同時に、年金に対する考え方も変えていかなければならないのです。

賦課方式と積立方式の将来性

年金には大きく分けて賦課方式と積立方式の2種類の制度があります。

賦課方式というのは、年金受給者の年金負担を現役世代に賦課(割り当てる)するという方式のこと。

積立方式というのは、年金受給者が現役時代に自分で積み立てたお金を年金にする方式のこと。

それぞれの制度にメリット・デメリットがあります。

日本国の年金は賦課方式が基本

日本の年金制度は賦課方式となっています。

賦課方式が良いところは、インフレしても将来もらえる年金額が目減りしないこと。

わかりやすくするために極端な例を出しますが、もし積立方式で30年前の物価が今の10分の1だったとします。

30年前の給料は月給3万円。そこから、毎月1万円を年金として積み立てました。30年後には、30万円(+利息)になっています。この30万円を15年間毎年2万円ずつもらうことになります。

ここで、物価が30年前から10倍に上がっており、平均的な収入は月給30万円になっていました。

今の日本の物価になったと考えるとわかりやすいですね。さて、毎月2万円の年金で暮らしていけるでしょうか??

(話を簡略化するために極端にしています。後述の通り、うまく運用すれば、物価が10倍になる環境では複利効果で元本の10倍にすることも可能です。)

 

これが賦課方式であれば、30年前に支払った1万円の年金は、その当時の受給者に渡ることになります。

自分が年金をもらう時代に平均月給が30万円になっていれば、その30万円を稼いでいる人が年金受給者の年金を負担します。

それであれば、毎月20万円の年金をもらうこともできますね。

そういうことで、賦課方式はみんなが幸せになる制度・・・・でした。

 

昔は年金受給人口1人に対して、生産年齢人口が5人いました。わかりやすく言えば、5人の若者が1人の老人の生活を支えていたのです。

これが、これからの日本社会では金受給人口1人に対して、生産年齢人口が1人になります。1人の若者が、1人の老人の生活を支えることになります。

ざっくりいうと、あなたの稼ぎの半分を、年金として渡すことになるのです。現実的に考えて、不可能ですよね?

これが、少子高齢化の年金への影響です。

私達の世代は、確実に、今年金をもらっている世代のようには年金をもらうことができません。

これからの時代は積立方式が重要

そこで大事になってくるのが積み立てる年金です。

実は国民年金と厚生年金は賦課方式ですが、他の自分で作っていく年金は積立方式。

企業型確定拠出年金(401k)や、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)も、生命保険も、全部積立なのです。

最近日本政府は年金を自分で積み立てるような制度をどんどん後押ししています。

賦課方式の年金が立ち行かないことを知っているから、積立を奨励しているのではないかと思ってしまいます。

積立方式では先ほどの例のようにインフレに対するリスクが大きくなります。

そのために分散投資の考え方などが大事になってきます。世界中で金利が高い/成長しているところで資産を増やし、金利が低い/成長していないところにはあまり投資をしない。でも、ハイリスクハイリターンだけだと危ないので、しっかりとリスクの少ない資産もポートフォリオに組み込む。

こうした分散投資をすることで、インフレに負けない利率を確保して将来のために積み立てていく必要があります。

「自分年金」を作る重要性とその方法

今の日本の制度では、積み立てる年金は自分で作っていくしかありません。

逆に、自分で作っていく人に対する減税などの優遇があります。そういった制度を最大限活用して、自分の年金を作っていきましょう。

自分年金の考え方

自分の年金を作ろう、というのは早すぎることはありません。

なぜなら、複利効果は早く始めれば早く始めるほど大きくなり、小さい元本が大きな金額になるからです。

とはいえ、若い間はお金ではなく自分自身への投資が一番重要だと私は考えていますので、2,30代では投資の感覚を掴み、40代になったら本気で増やし始めるというペースでもよいでしょう。

 

必要な金額ですが、これはそれぞれ老後にどんな生活をしたいのかによって異なります。

楽観的に考えると80歳以降は公的年金(国民年金&厚生年金)がもらえるかもしれませんし、50年後にはもう無くなっているかもしれません。

もし無くなっているとして、80歳まで頑張って働いたとして残りの20年間を毎月20万円使って暮らしていく場合に必要なお金は年間240万円×20年=4800万円。ざっくり5000万円の金額が必要です。

もちろん、生活費を落とせばもっと少なくて済みますし、逆に色々と世界を巡るなどお金を使いたいのであればもっと貯める必要があります。100歳まで何らかの収入を確保するという考えからもありでしょう。私もそれも目指しています。

 

5000万円と聞くと途方も無い金額のように思えますが、複利効果を活用して1000万円を年利5%で運用できれば33年間で5000万円になります。500万円を年利5%で運用すれば14年で1000万円になります。

つまり、80歳で5000万円を手に入れるためには、47歳で1000万円の運用を始めれば目指せるのです。

その1000万円も、34歳で500万円の運用を始めれば手に入るのです。

もちろん、投資で年5%というのは簡単ではないのですが、このように考えれば、なんとか達成できそうだと思いませんか?

もし34歳で500万円の運用を始めれば、うまく行けば80歳には5000万円になっており、34歳以降に始めた別の投資も合わせれば十分な金額が確保できている。

そういう考え方で自分の年金を作っていくのが重要です。

具体的な自分年金の作り方

では、自分の年金はどうやって作っていくのが良いのでしょうか?

ポートフォリオの考え方から、分散して投資することは必須と言えます。地域の分散、通貨の分散、証券会社の分散など様々な分散をすることによってリスクを減らすことになります。

自分年金を作る方法は大きく分けて、以下のような4つの方法になるでしょう。

退職金(経営者や個人事業主であれば「小規模企業共済」)

サラリーマンであればある程度もらえることが期待できるのが退職金。

自分から作っていくという意識ではなく、気づいたら資産が形成されているというようなイメージかも知れません。

経営者や、フリーランスであれば「小規模企業共済」という制度を活用して退職金を積み立てていくことができます。

積立金は所得控除の対象(つまり所得税が安くなる)になりますし、退職金はもちろん退職所得(つまり所得税が安くなる)になりますので、節税という観点でも完璧です。

もしあなたが会社の経営者だったり、個人事業主の場合は「小規模企業共済」に加入していないのであれば、節税メリットも有るこの制度の加入がおすすめです。

ただし、日本円資産を日本という国に置いておくことになるため、分散投資の考え方では他との併用がオススメ。

生命保険

家族ができれば絶対に考えたいのが生命保険。家族がいなくとも、将来への備えとして積み立てていくことは重要です。

生命保険は養老保険又は終身保険として積み立てていくことになり、もちろん将来の年金になるばかりではなく、万一の際には残された家族に「支払った保険料を超える補償」が支払われるというものです。

投資としては利率が悪くても、万一のことの保証を考えると一定額は加入していくことをおすすめします。

なお、日本国内で契約できる生命保険には円建てのものとドル建てのものがあります。

為替リスクをどう考えるか、という話にもなるのですが、私の個人的な考えでは円よりもドルのほうが将来は強くなると思っているのと、円建ての「小規模企業共済」も併用していることから、ドル建ての保険に加入しています。

ドル建てのほうが利率が高いことが一般的なので返戻率(支払った保険料に対する受け取れる金額)も高くなることが一般的。

自分の投資ポートフォリオに合わせて考えていくか、両方加入するのも良いでしょう。

保険会社によって色々と違いもあるので、しっかりと自分で比較するのがおすすめです。

 

ちなみに、海外(主に香港)で契約する生命保険もありますが、日本居住者は契約することができません。

こちらについても私は活用しておりますし、いつかお話することができればと思いますが今回の記事では割愛します。

確定拠出年金(企業型/401k、個人型/iDeCo)

節税メリットも有り、自分が好きな商品を好きなように組み合わせていけるのが確定拠出年金。

サラリーマンであれば企業型確定拠出年金の制度が会社にあれば使えますし、個人型確定拠出年金(iDeCo)であれば誰でも加入できます。

正確には企業型確定拠出年金のある会社に勤務している場合はiDeCoに加入できないケースがあります。これは、会社によりkとなりますので、総務部などに問い合わせてください。

ただ、どちらかには確実に入れますし、転職や退職のタイミングで移管もできるので入れるものに入れば十分です。

拠出額は一定の条件のもとで所得控除の対象(つまり所得税が安くなる)になりますし、受給する際はもちろん退職所得(つまり所得税が安くなる)または公的年金控除の対象(つまり所得税が安くなる)になりますので、積立を始めるのであれば確定拠出年金から始めましょう。

確定拠出年金では、現金、債権、株式、ETF、REIT等様々な商品で運用することが可能です。投資の練習として色々と買ってみるのも良いですし、全世界を対象としたETFを購入することで自動的に全世界に対する分散投資を実現するのもありでしょう。

その他の積立・投資(NISAを含む)

今まで上げた3つの方法はすべて「指定年齢にならないとお金をもらうことができない」という、いわば年金専用の制度です。

将来の年金として積み立てるのであれば間違いなく良い方法ですし、積立の一部は途中で使えないようにすることでしっかりと将来へのお金を残すことも重要です。

しかし、長い人生の中では結婚、子育て、アクシデントなど大きなお金が必要になることもあるでしょう。

投資の一部は「いつでも現金化できる投資」や「ライフイベントに合わせて現金化できる投資」にしておくことも必要です。

10年満期の投資商品もありますし、株式投資をするのであればNISA(少額投資非課税制度)を使い節税しながら投資することもできます。

ポートフォリオの一部に仮想通貨などのハイリスク・ハイリターンの投資を入れてもいいでしょう。(あくまで一部、ですよ!)

年金としての投資と、それ以外の投資もバランスよく活用できるようになれば、もう初心者ではないでしょう。30代のうちに、このあたりに慣れておくことで人生後半の充実度が大きく変わってくる、そんな時代だと思っています。

自分の人生は自分で作っていこう

自分の人生は自分で作る時代。

自分の老後も、自分でしっかりと考えて作っていく必要がある、そんな時代に私達は生きているのではないでしょうか。

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