イギリスがEU離脱に湧く1月31日のロンドンを見て感じたことと当日の様子

普段はアジアばかりの私ですが、珍しくロンドンに行ってきました。
なぜかといえば、2020年1月31日にイギリスがEUから離脱する、その瞬間を現地で見てみたかったからです。

EU離脱に関しては様々な情報が飛び交っていますが、実際現地に行くと雰囲気が違うという声もありました。
実際に現地でロンドン市民と話してみて、これは日本人にとって大きなチャンスだと感じました。
その理由はなぜか、この記事を読んで一緒に考えてみてほしいです。

イギリスEU離脱当日のパーラメント・スクエア

2020年1月31日離脱日当日のロンドンの様子

2020年1月31日、ロンドンの政治の中心であるパーラメント・スクエアには日中から離脱を支持する人々が集まっていました。

プラカードを掲げる女性

プラカードを掲げる女性。
プラカードには「FREE FROM THE EU(EUから自由に)」「EU NO MORE(もうEUは結構)」「WE ARE FREE(私達は自由だ」と書かれています。
この女性三人組はプラカードを掲げながら広場をあるきまわっていました。

バイバイEUと書かれたプラカードを持つ男性

多くの人との写真撮影に応じていたこの弾性は全身ユニオンジャックに身を包み、手には「バイバイEU」のプラカードを掲げています。
通りがかったたくさんのロンドン市民が一緒に写真を撮っており、市民も離脱を喜んでいることが伝わってきました。

後ろではテレビ局が現地中継を行っています。
もちろん、日本のテレビ局や記者の姿もありました。

EU国旗を踏む活動家

こちらは「FREE SHOE WIPE(無料靴拭き)」と叫びながらEU旗で足を拭こう!と呼びかけていたグループ。
足を拭くというよりは完全に踏みつけていました。

インタビューに熱く語る市民

メディアのインタビューに答える男性。
何を話しているかは聞き取れませんでしたが、ものすごく力強い口調と迫力でした。

EU残留を希望する市民こちらはEU残留を望む人々。
離脱が決定してしまいあきらめムードなのでしょうか、離脱を喜ぶ人々に比べると人数もとても少なく静かでした。

23時の離脱時間が近づくと本当にたくさんの人たちがパーラメント・スクエアに集まってきました。
歩行者に開放された道路の端から端までを埋め尽くすほどの大群がぞろぞろと歩いてきます。

多くの人が詰めかけたパーラメント・スクエア

パーラメント・スクエアは人でごった返していました。
近くにいた若者に話しかけてみたのですが、政治運動家ではなく普通の市民で「これからのイギリスが世界に出ていくのが楽しみ」と話してくれました。

ステージでは離脱派のイベントが開催

奥で離脱賛成派の方々によるイベントが開催されているのが見えます。
イベントでは議員による演説があったり、QUEENのWe Are The Championsが流れていました。
ステージで歌が始まるやいなや、そこに集まった人が皆で「We Are The Champions!!」と歌いだし、すごい迫力でした。

ビッグベンの隣にリトルベン

パーラメント・スクエアの隣りにあるビッグベンは現在修復工事中で鐘を鳴らすことができません。
その鐘を鳴らそうとクラウドファウンディングも行われていたのですが、結局鳴らすことはできなくなってしまいました。
そんな事もあってか「リトルベン」を作ってきて鐘を鳴らしている人たちもいました。
このあたりのユーモアはヨーロッパだなぁと感じます。

23時、離脱の瞬間

そして2020年1月31日23時00分、カウントダウンが0になったと同時にあたり一面が大きな歓声に包まれました。
ビッグベンの鐘は鳴らすことができませんでしたが、録音したビッグベンの鐘の音がスピーカーから響き渡りました。

47年間加盟していたEUからイギリスが離脱を行うという、後に歴史の教科書にも載るであろう歴史的な瞬間に外国人ながら立ち会うことができて、1日たった今も感動が覚めません。

EU離脱が私達にとってチャンスだと感じる理由

EU離脱で英国経済が悪化する、合意なき離脱で世界経済が不安に陥る。
そんな報道ばかりが見られますがそうなのでしょうか?

もちろんすべてがうまくいくとは思いませんが、不安を煽るよりはこの変化の中にどんなチャンスがあるかを考えるほうが良いと思うのです。
昔から、変化はチャンスだ、といいますからね。

いままでは(イギリス的にいえば)欧州連合の言うことを聞くかわりに、EU全体の市場へのアクセスが自由にできました。英国に会社を置けば、EU全体に対してサービスや製品を販売することができる。なので、世界中からの投資も集まっていたというのは間違えていません。
そして、EUから離脱した後は英国-EUの貿易協定がどうなるかにもよりますが今まで通り自由というのはたしかに難しくなるでしょう。

では英国はそのまま孤立するのかといえば、そんな政策は取らないでしょう。
英国は旧植民地の集合体であるコモンウェルス連合という繋がりも持っており、それらの国と連携していくことも十分に考えられます。
コモンウェルス連合は共通の国王を英国女王と定めた国の連合でなんと50カ国以上にものぼります。
これらの国々とは大使館を置かずに、領事館のみを置いているのですが、「大使」は君主の代理人であり君主が共通である以上は大使は不要という考え方だそうです。

ダイバーシティの時代、多様性の時代と言われておりますが、これは何でもかんでも多様性を良しとするのではなく、性別や国籍などで括らずに「何らかの共通の価値観を持った」人たちの集まりを作ろうというのが本質です。
グーグルなどの世界的大企業は国籍や人種、性別、年齢のダイバーシティがあると言われていますが、それらよりももっと大事となる「価値観」の共有を優先しているからです。
そう考えれば、今回のEU離脱も欧州という「地域」よりも、何らかの「価値観」を共通にした国々と付き合って行くと予想されます。

EUに所属していた時代はEUに対して開かれた英国でした。
これからは、共通の価値観を持つ国々に対して開かれた英国となると思います。
別の言い方をすれば、この離脱をもってEU以外の国に対してオープンになったのです。

そして、EUとは決別するかといえばしないと思います。
英国は世界の中でも有数の技術や教育を持つ国であり、うまくやっていったほうがお互いの利益になるからです。

これから英国と日本の貿易協定の交渉など、今までEUとやってきた2国間の諸々をやり直していくこととなりますが、日本にとっても英国にとってもチャンスなのではないかと思います。
12月31日の移行期間が終わればEUのルールからは完全に外れますが、そのときに日本との関係がどうなっているのかが楽しみです。

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