今はとても便利な時代になりました。
たった10年前では考えられなかったことも、今や手の中のスマホで実現できるようになりました。
この便利になった時代だからこそ、気をつけなければならないことがあります。
それは、消費ばかりしてしまってお金も時間も失ってしまうということです。
自分を律し、節制する。
そんな力が従来以上に重要になってきているのです。
それはなぜか、そして、私達はどうしたら良いのか?
現代に生きる人がより自分らしく生きていけるようになる方法を解説します。
この記事を読めば便利な社会の落とし穴を知り、そこにはまらずに過ごせるようになるでしょう。
サクッと読める目次
便利さや豊かさの恩恵とその代償
スマートフォンやインターネットで世界は驚くほど便利になりました。
まずは、その便利になった世界でどのような恩恵が生まれ、逆にどのような落とし穴が生まれたかを見てみましょう。
便利になった世界で得られたもの
手のひらのスマートフォンやパソコンで世界中の情報が手に入るようになりました。
例えば、私は東南アジアに住んでいますが、日本の友人ともすぐにメッセージや電話をすることができます。
距離という壁が昔はとても大きかったのが、今は容易に超えられるようになりました。
昔は手帳を持っていたものですが、今はスマートフォンで予定を管理できますし、何か気になったことがあればすぐに調べられます。
予定やタスクにはリマインダーもつけられるので、昔のように「あっ、忘れてた・・・」という事もほぼなくなりました。
昔の友人の近況もfacebookやInstagram、Twitterを見れば知ることができますし、住所や電話番号が変わって連絡が取れなくなった昔の友人もfacebookで見つけて連絡を取ることもできました。
世の中が便利になり、私達の生活は豊かになっています。
これに異論を唱える方はいないでしょう。
便利さの裏で失ったもの
しかし、その便利さには代償があります。
今の時代、サブスクリプションが発達して娯楽に簡単にアクセスできるようになりました。
見たい映画やドラマはすぐに見ることができますし、ユーチューブで好きなお笑い芸人やアイドルを見ることもできます。
ネットフリックスやユーチューブで何時間でも過ごせるという方は少なくないのではないでしょうか。
10年前では、映画を見たかったらツタヤなどのDVDレンタル店まで行って借りなければいけませんでしたし、
お笑いやアイドルを見たければ決まった時間のテレビ番組を見るのが普通でした。
ドラマも、見たいドラマだけ録画をしてそれを楽しんだり、家にいる時間にやっているドラマを見ていたのではないかと思います。
もっといえば、友達とのお喋りも会っている時間だけだったのが、電話、メール、チャット(メッセンジャーやLINE)と、いつでもどこでもやりとりをするようになりました。
その結果、私達は時間を失いました。
ネットフリックスも、スポティファイも、フェイスブックも、ユーチューブも、そこで時間を消費したくなるような仕掛けがたくさんあります。
もちろん、映画や音楽、お笑いと行ったコンテンツ自体が悪いわけではありません。
人生に娯楽は絶対に必要です。
ただ、必要以上に時間を娯楽に使うようになったのが、この現代ではないでしょうか。
「自分の意志で娯楽を楽しんでいるから良いだろう」
そういう意見も聞こえてくるような気がしますが、
自分の意志ではなく、その娯楽を提供する企業に煽られた結果、自分の意志だと思い込まされている・・・。
そんなことはないでしょうか?
友人と過ごす時間、家族と団らんする時間、読書をする時間、仕事をする時間、人生にはバランスが必要です。
このバランスを崩して自社のコンテンツを消費させようとしてくるサービスに気づいたら取り込まれているのではないでしょうか。
豊かになり、消費を煽るようになった
そして、私達は昔に比べてとても豊かになりました。
不景気で賃金は上がらない、というニュースもありますが、数十年前と比べたら明らかに豊かになりました。
もし私達が豊かだと思えない原因があるとしたら、それは消費を煽るこの世界です。
- おしゃれな服を着ないといけない
- 最新のスマホを使わなければダサい
- あの美味しいスイーツを食べに行きたい
- 友人のように海外旅行に行きたい
- お隣さんよりもいいクルマに乗りたい
- 結婚指輪は月給3ヶ月分が当たり前
- お化粧をせずに外に出るのは失礼
- 短パンTシャツでは恥ずかしくて外出できない
- ・・・・
そんなことを思っている人はいませんか?
これらの「常識」は、実は消費を煽るために企業やメディアによって作られたものです。
たとえば、結婚式場などの冠婚葬祭ビジネスでは「一生に一度」というところに漬け込んでどんどんオプションを勧めてきますが、それって本当に必要なのでしょうか?
私の周りでも花屋さんに行けば5000円で買える花束が3万円、花火が1回5万円、などと行ったオプションの話を聞きますが、おかしいと思いませんか?
一生に一度だから、という謳い文句でとても高額なものを買わされている。
もっといえば、買いたいと思い込まされている。
結婚指輪は月給3ヶ月分という話も、もともと1970年代の広告キャンペーンが始まりです。
アメリカのダイアモンド会社であるデビアス社が高額な指輪を売るために行った広告で、1980年代には終わった広告なのですが、今も「結婚指輪は給料の3ヶ月分が常識」と思っている方がいるのではないでしょうか。
当時の日本はアメリカよりも給料水準が低く、アメリカでは「2ヶ月分」と言っていたのを、同じ値段のものを売りたくて日本では「3ヶ月分」としたという説もあります。
企業が高額なものを売りたいがために行った広告キャンペーンが常識となり、高額商品を買うようになっている。
そう考えると、恐ろしくはありませんか?
ちなみに、結婚式のご祝儀の相場が3万円になったのも、式場が1人あたり3万円ほどのプランを作るようになってからと聞いたことがあります。
結婚式場が儲けたいがために作られた常識なのです。
もちろん、相手が常識だと思っている場合にその金額を包まないことによってトラブルになる可能性もあるため、他人に包むものはある程度「常識と言われているもの」に合わせるほうが良いとは思います。
それでも、自分で使うお金が企業が作った常識に縛られる必要はないはずです。
雑誌も、テレビも、メディアは基本的に企業からの広告で運営されています。
そうなると「色々なものを買うことが素晴らしい」というメッセージが基本になるのは当たり前ですよね?
高い車は素晴らしい!高級フレンチにたまには行こう!この旅行先は素晴らしい!
などなど、気づくと私達が「お金を使いたい!」と思うようなメッセージが満載です。
クリスマスにはチキンを食べよう、土用の丑の日にはうなぎを食べよう、節分には恵方巻、バレンタインにはチョコレート・・・・
全て企業が行った広告が始まりです。
その広告ができるまでは、日本全国一般的に行われていたことでは決してありませんでした。
そして、このような「お金を使わなければならない習慣」はどんどん増えていきます。
もう一度いいますが、間違いなく数十年前に比べると日本人はみな豊かになりました。
それでも豊かさを感じられないのは、本来消費する必要がない費用を「常識」という名目で消費しているからです。
節約・節制をしないと企業の思う通りに時間もお金も無くなる
現代に生きる私達は常に時間もお金も消費するように煽られています。
生活に必要なものは全て揃っている時代に、企業はさらに利益を上げるために買ってもらわなければなりません。
その方法が、どんどん巧妙になり、気づけば時間もお金も差し出してしまうようになっています。
まずは、そういう時代背景を知るところが重要です。
「広告キャンペーンに乗せられている」と知った上で「人間関係を円滑にして」「イベントを楽しむ」ための消費と、
なんとなくそういう常識だからとお金を払う消費では雲泥の差があります。
残念ながらほとんどの人にとって、
「高級車を購入し」「高級時計をして」「高級フレンチに毎月行き」「海外旅行に頻繁に行き」「土日は映画を朝から晩まで見る」
という生活をすることは現実的に不可能です。
時間も、お金も、いくらあっても足りません。
しかし、メディアを見ているとなんだかそれを目指すのが当たり前になってしまうのです。
自分にとって大事なものは?幸せとは?
そのために、時間やお金をどう振り分けていくのか?
ということを考えて過ごしていかないと、コンテンツを提供する企業ばかりが儲かって、それを消費する人は搾り取られるだけという世界からずっと抜け出すことができません。
これって、とっても恐ろしいことだと思います。
このままでは、持てる人と持たざる人の格差が当然ながらどんどん開いていきます。
娯楽や消費はもちろん人生に必要です。
それと同じくらい、いや、それ以上に、自分の未来のためにお金や時間を使うことも必要です。
あなたは自分の未来のために時間やお金を使えていますか?
ただ企業の広告やメディアに踊らされ、流されていくのはもうやめましょう。
自分の人生をハンドルを握るのはあなた自身です。