「天気の子」の裏設定、ストーリーを日本神話の観点から考えるとスサノオとアマテラスにいきつくという話

結論から言うと、この映画はスサノオとアマテラスの戦いがモチーフになっている映画と考えられます。

その理由と隠された設定について考察してみます。

日本の神話?どういうこと?と思った方も多いかもしれません。
しかし、読めばわかります。

この記事を読んでから天気の子を見ると、もっと楽しめること間違いなしです。

須賀のモチーフはスサノオ

スサノオといえば姉である天照大御神(太陽)を引き篭もらせ、世界から太陽を消してしまった張本人。
そんな海原の神であるスサノオは最終的に「須賀の地」に行くことになるのですが、まさに海原において主人公の命を救った男が須賀であり、須佐之男がモチーフになっていると言えるでしょう。

そんな須賀と夏美が人柱についての話を聞く東京高円寺の気象神社は氷川神社内にあり、その氷川神社で祀られているのが須賀のモチーフであるスサノオというのも面白いポイントです。
気象神社で祀られているのは八意思兼命であり、大国主命から天照大御神に国を譲らせる際に天津神側で活躍しているというスサノオと関連の深い神であり、太陽と荒天の両方が祀られておりまさに気象のすべてを司る神社のようです。
そして、その須賀の元で成長していく男、帆高が大国主命と考えられます。

須賀がスサノオということであれば、ヤマタノオロチを退治して人柱となる予定であった奇稲田姫を救うというストーリーを経てきているはずなのですが、奥さんを失っていることから人柱となっていた奥さんを救えなかったという可能性が考えられます。
夏美とともに気象神社に訪問することで、夏美が人柱であることを知るがそのような話をすんなり受け入れていることからも、人柱という存在を知っている可能性が高いと考えられます。

森島帆高のモチーフは大国主命

帆高の出身の神津島は水を分配するために神々が集ったという島。
その神津島の開祖である物忌奈命神社に祀られている物忌奈命は大国主命の孫に当たります。
天照大神より国を譲るように迫られてここ伊豆諸島へ移ったと言われている大国主命は、風と雨の神であるスサノオの義子です。

大国主命(帆高)はスサノオ(須賀)が与える数々の試練を乗り越え、スサノオに認められるというストーリーなのですが、
この映画も大国主命が数々の試練を乗り越えて成長していくストーリーと見てほぼ間違いないでしょう。

大国主命は農業の神であり、帆高も東京農工大学農学部に進学しています。
ちなみに大国主命はその農学部近くにある大國魂神社に祀られていることも、帆高が大国主命をモチーフとしていることを表していると考えられます。

天野陽菜のモチーフは天照大神?

では、天野陽菜はというと天照大御神と考えるのが順当でしょう。
天照大神といえば太陽を司る女神であり、まさに晴れ女のモチーフとしてぴったりなのですが、その荒魂は瀬織津姫とも言われており、水や瀧の神でもあります。
瀬織津姫を祀っていた神社は天照大神を祀るようになっており、長い日本の歴史の中で封印された神となっています。

晴れ女である陽菜は、実は雨女であり、瀬織津姫であったと考えると映画のストーリーと完全に合致します。
その瀬織津姫が封印から解かれ、雨を降らせている世界がこの天気の子で描写されている世界でしょう。

つまり、天気の子はスサノオとアマテラスの争いがモチーフとなっており、結果的にスサノオが勝利を収めるというのがストーリーの大枠なのです。
実際に、スサノオである須賀の会社が成功しており、雨と名付けられた猫が大きく成長していることからもわかります。

このストーリーはそのスサノオと縁の深い大国主命である帆高がアマテラスである陽菜と統合されてる、つまり、出雲大社に代表される国津神と伊勢神宮に代表される天津神が統合されていくという壮大なストーリーなのだと考えることができます。
日本書紀であればここから大国主命はが世界を作り、その世界を天照大神へ譲る「国譲り」となっていくことになっているのですが、大国主命である帆高と天照大神であり瀬織津姫である陽菜が共に新しい世界を作っていくのではないかと予感させます。

神との繋がりを考えさせる映画

ハッピーエンドか、バッドエンドかの賛否が割れる映画ですが、映画中の
「東京のあの辺はさ、もともとは海だったんだよ。」
という台詞にあるように水没してしまった事自体は動かせない大きな時代の流れであり、神の仕業であると考えれば必ずしもバッドエンドではないのではないかと思います。

偶然にも今年は梅雨が長く、天気の子のストーリーが際立つことになったがそれも神の仕業であり、
「観測史上最大なんて言うけど、そんなのたかだか100年くらいの話じゃ」
というセリフのように神々が2600年にわたって見てきたこの世界では大きなことではないのではないでしょうか。

その中で、私達は神とのつながりをどうやって維持していくのか、どうやって生きていくのかを問いかけた映画なのだと思います。

天気の子をオンラインで見るには?

天気の子はまだ動画配信サイトで配信されていないようです。
近いうちに配信が開始されることは確実なので、動画配信サイトで配信されるのが今から楽しみです。
とりあえず、新海誠監督の前の作品である「君の名は」を見て待つことにします。

入っておいて間違いない動画配信サイトが「U-NEXT」。
毎月1200ポイントが付与されるので、そのポイントを使えば最新作も見ることができます。
天気の子も配信開始してからいち早く見ることができるサイトはここで間違いないでしょう。

最近私の周りで増えているのがフールー。
無料トライアルがちょっと短いのですが、映画を数本見る分には問題ありません。

動画配信サイトはジャンルによって得意不得意があるようなので、無料トライアルの期間に色々と見てみて、自分にあったところを使うようにするのがおすすめ。
個人的にはU-NEXTが一番いいんじゃないのかなぁと思っています。

終わりに

この記事は天気の子が日本の神話をもとに作られていると仮定(妄想)した場合にどのようなことが考えられるかを考察した話です。
新海誠監督は過去の作品を見ても日本の神話に精通しており、実際に神話をモチーフにしていると私は考えておりますが監督の公式見解ではありません。
それでも、このような見方をすると更に天気の子という映画を楽しめるのではないかと思い、紹介しました。

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