2018年9月23日、中国の高速鉄道が香港まで延伸し、香港と深圳が高速鉄道で繋がりました。
香港から深圳を通って広州、そして北京・上海・昆明など各方面に直通している電車もあります。
先日、そんな開通したばかりの香港から中国本土への高速鉄道に乗ってきましたので、チケットの購入方法と乗車レポートを書きました。
香港と深圳・広州を結ぶ「広深港高速鉄道」
広深港高速鉄道はその名の通り「広州」「深圳」「香港」を結ぶ高速鉄道です。
香港側の駅「西九龍」で入出境手続きが完了する
香港側は新しくできた西九龍駅。
場所は九龍駅とオースティン駅の間にあります。どちらからも5分程度歩く距離にあります。
この駅で香港と中国両方の入出境を行います。
香港側で中国の入国も行い、その後は香港にいるのに中国の法律が適用されるということで香港民からは反対も多かったようですが、イミグレーションを早く抜けられることは確かです。
香港から深センまでを最短14分で結ぶ
深圳には中心に位置する福田駅と、郊外のターミナル駅である深圳北駅の2つが存在します。
香港西九龍駅から深圳福田駅までは距離にして36キロ、14分で結びます。
香港から普通列車を乗り継いていく場合の半分以下の時間で到着してしまいます。
香港と深圳が一気に近づいた気がします。
香港から広州を超えてさらなる長距離路線も存在する
香港から広州までが「広深港高速鉄道」ですが、広州から更にその先の上海、北京、昆明などへの直通列車も設定されています。
香港西九龍から北京西までは8時間56分、昆明南までは7時間38分、上海虹橋までは8時間17分でいずれも一日一便の運行です。
飛行機のほうが早いこともありあまり利用することはないとは思いますが、そのスケールの大きさに驚くばかりです。
香港西九龍から深圳南まで搭乗してきました
先日深圳に行くことになり、香港から高速鉄道に乗ってみました。
二等車が満席だったため、一等車での移動でしたが、快適そのものでした。
西九龍駅でチケットを受け取る
オンラインでチケットを予約しておりましたが、実際の乗車券への引き換えが必要です。
予約時に入力したパスポートが必要なので、受け取りだけだとしてもパスポートを持参する必要があります。
実は、乗車する前日に切符を受け取ろうとしたのですが、パスポートをホテルに置いてきたため受け取れませんでした。
切符売り場にはいくつかの列がありますが、オンラインでチケットを購入したメールをスマートフォンで見せると適切な窓口を案内してもらうことができました。
ほとんど並んでおらず、パスポートとメールを提示してすぐにチケットを受け取ることができましたが、混雑時は30分ほど待つこともあるようです。
出発前に西九龍駅で腹ごしらえ
西九龍駅は空港のターミナルのような大きく新しい駅でした。
レストランもいくつか入っており、あの「世界で一番安いミシュラン獲得店」としても知られる「添好運」もターミナル内にあります。
ちなみに、添好運はどこもクレジットカードを受け付けてくれないので要注意。現金が必要です。
スターバックスなども入っているのですが、なんとなく香港らしいご飯が食べたくてフードコートに行ってみることにしました。
出発ターミナルのすぐ近くにフードコートがあります。百福麺家のワンタン麺が58香港ドル。
正直、ちょっと高いですね。
西九龍駅で出境・入境審査を受ける
チケットを受け取る際に「出発の1時間前には来てくださいね」と言われたのですが、2時間前に来てしまいました。
とりあえずお腹もいっぱいになったし、駅の中に入ってみます。
20時の時点で、21時40分から22時55分の電車のチェックインが行われていました。
といっても、20時発と20時50分発の2本しか電車はありません。
パスポートと切符を提示して中に入ります。
その後、歩いていくと香港の出境審査があります。
窓口の数も多く、あまり混むことはなさそうです。
免税店もありました。
更に駅の中を歩いていきます。
免税店が並ぶ通りを歩いていくと、奥に簡体字の看板が見えてきました。
この黄色い線が香港と中国の境界線。
この線を超えると香港の中にいながらも、中国の法律下に置かれることになります。
ちなみに、香港のMTR Free Wi-Fiはこの先も電波が飛んでおり、facebook等も閲覧することはできました。
その後、中国の入境カードを書いて、入境審査を受けます。
入境カードが置かれているテーブルには「中華人民共和国西九龍駅海関」と書かれていました。
中華人民共和国西九龍駅という文字に違和感がありますが、こうして香港が中国化していくのかなと思いました。
改札前の待合室にはカフェもなく、ただ待つのみ
無事に中国に入境すると空港のような待合室にでます。
実はここ、先ほどの添好運の写真の下のスペース。写真に写っている待合室より上のフロアは全て香港であり、人が座っているエリアが中国という空間です。
空港のように待合室のカフェやお店があると思っていたのですが、待合室はこれが全てで本当に何もありませんでした。
改札は出発の15分前から始まるということなので、今から1時間ほどここで待ちます。
駅にはあまり早く入りすぎないのがおすすめですね。
いざ、搭乗。車内サービスを楽しんでいるうちに一瞬で深圳へ到着
出発の15分前になり、改札が開きました。
航空機のように「Boading」の表示が出ています。
改札機に切符を通してホームに入場します。
駅内のサインは香港式。
ホームはとても広くて明るいです。
切符に書いてある号車番号と同じ車両を探して乗ります。
このあたりは日本の新幹線と全く変わりません。
こちらは二等車の車内の様子。
2-3の五列シートです。
そして、こちらが一等車。
2-2の4列シートになり、二等車に比べて席の幅が広くなっています。
一等車はA-C-D-Fという並びになっています。
オンラインでチケットを2席購入する際にAとCだったので間に他の人がいるのかなと思っていたのですが、隣同士でした。
足元はかなり広くて快適です。フットレストもついており、飛行機のプレミアムエコノミークラスのような感じです。
ちなみに中国の高速鉄道では、
二等車(セカンドクラス)<一等車(ファーストクラス)<商務車(ビジネスクラス)<VIPクラス
となっており、ファーストクラスよりもビジネスクラスのほうが格上なので、飛行機とはクラスが逆になっています。
机は肘置きからでてくる2つ折りタイプで広さも十分。
肘置きには隣の人と共用ではありますが、コンセントとUSB充電口がありました。
これなら8時間の旅も快適に過ごせそうです。
今回は20分も乗っていないので、さすがに使いませんでしたが・・・。
車内販売もありました。
メニューは中国語でしたが、写真を指さして注文できそうです。
食事は15元からと、リーズナブル。
電車が走り出すと同時に、スナックと飲み物が配られました。
一等車だけのサービスかもしれません。
はちみつ柚子茶はその名の通り甘いお茶でした。そして、ちょっとオシャレな紙の箱。
紙の箱を開けると4つのスナックが入っています。
どれも、「中国のスナック」という味がしました。笑
そんな社内サービスを楽しんでいるうちに電車は200kmのスピードでどんどん進んでいき、深圳福田駅を通過していきます。
深圳北駅到着のアナウンスが流れ、駅に到着しました。香港西九龍駅から深圳北駅までは19分。
深圳南駅に到着
深圳北駅は広いホームがたくさん並び、高速鉄道も多く止まっているとても大きな駅です。
数分止まった後に広州に向けて発車していきました。
深圳南駅の改札では有人改札に切符を提示すると穴を開けて持ち帰れるようにしてくれます。
記念に持ち帰りたい場合は、自動改札機ではなく有人改札を通るようにしましょう。
中国語を話す必要もなく、無言で切符を差し出せばOKです。
なお、深圳南駅には両替やSIMカードの販売はありませんでした。
香港を出る前に人民元を確保しておいたほうが良さそうです。
深圳南駅からタクシーでホテルへ
タクシー乗り場からタクシーに乗ってホテルに向かいました。
深圳のタクシーは大半がBYDという会社の電気自動車になっており、香港よりも日本よりも未来を感じることができます。
中国が電気自動車大国なんだなぁ、と実感します。
英語はほとんど通じないので紙に行き先を書いておくのがおすすめです。
オンラインで簡単!チケットの予約方法
高速鉄道のチケットは駅で買うことも可能ですが、オンラインで購入することもできます。
駅に行く時間がなかったり、旅行に行く前に購入したかったりしても大丈夫なのが嬉しいですね。
海外在住の私としては、日本の特急もオンラインで購入できるようになってほしいと切実に願うところです。
オンラインでの予約方法
香港西九龍発の高速鉄道のチケットはMTRのサイトから購入可能です。
このサイトをを開くと、左側に出発駅、到着駅、日付を入力して検索する欄があります。
深圳北=Shenzhenbei、福田=Futianです。
入力欄の下にある赤いボタンを押すと、上の画像のように右側に列車の一覧が表示されます。
右の「+」マークを押すと、購入可能な席と価格が表示されます。
今回は22:50発のG6504電車に乗る予定なのですが、Second Class(二等席)が売り切れのようなのでFiest Class(一等席)にしました。
日時と席の確認画面が表示されます。席は自動で決められてしまうようです。
問題なければ、Continueで次に進みます。
名前と、パスポート情報を入力します。
香港や中国の身分証明書を持っていない場合は上の画像のようにパスポートを選び、パスポート番号を入力します。
なお、パスポート番号は窓口で照合されるので、正確に入力しないといけません。
確認事項が表示されますので、チェックを入れてVerificationを押します。
同じ電車を同じ人が重複
して購入質内科、などがチェックされ、OKであれば次に進めます。
次に、メールアドレスと駅で受け取る際のパスワードを入力します。
香港の携帯番号はあれば入力しますが、必須ではありません。
私も香港の携帯電話は持っていないため、電話番号は空欄です。
今まで入力した情報の確認画面です。
支払いの前に、間違いがないかどうか確認しましょう。
支払いはまずVISA、MasterCard、UnionPayの3種類のいずれかのロゴをクリックします。
私はANA VISAカードで購入するのでVISAをクリック。
カード情報を入力して、支払いを行います。
支払いが完了し、チケットが発券されました。
画面に表示されるOrder Number(注文番号)が重要なので、その番号が書かれているメールが来ているかどうか確認します。
もし来ていなければ、メモをしておく必要があります。
すぐに上のようなメールがきました。
チケットを西九龍駅で受け取るなどの注意書きも書かれています。
駅では、この記事の前半に書いたとおりこのメールをスマートフォンで見せるとすぐに切符に引き換えてもらうことができました。
オンラインで予約する場合の注意点
オンラインで予約した場合も、出発の遅くとも45分前までに駅で切符の受け取りが必要です。
切符の受取は、私は5分ほどで受け取れましたが、混雑時は30分ほどかかることもあり、中国国内の駅は1時間待ちということもあるそうです。
当日ではなくても受け取りができるので、時間があるときに受け取っておくようにしましょう。