ラオスの古都ルアンパバーンの托鉢は世界中の観光客をひきつけてやみません。
私も托鉢に参加してきましたが、仏教世界との一体感を感じてその後仏教についていろいろ調べるようになりました。ルアンパバーン訪問の際は見学・体験したいこの「托鉢」は個人でも簡単に参加することができるので、その方法をまとめました。あまり知られていない注意点もお伝えしたいので、最後まで読んでもらえると嬉しいです。
サクッと読める目次
ルアンパバーンの托鉢って?
ラオスでは毎朝仏教僧への托鉢が行われていますが、その中でも規模が大きく観光客も多いのがルアンパバーンで行われる托鉢。
世界最大の托鉢と評されることもあり、とても神秘的な気持ちになります。
托鉢の行なわれる場所
托鉢はラオスのいたるところで行われますが、ルアンパバーンではメインストリートである「シサバンボン通り(Sisavangvong Road)」のワット・シエントーンから出発して以下の経路で行われます。
地図で示した経路内は車両が通行止めになり、観光客も多数参加します。
もちろんここ以外でも托鉢は行われていますが、この範囲内であればお坊さんも観光客に慣れており、托鉢用の米の販売などもあるためはじめての托鉢でも迷わないでしょう。
托鉢の時間
托鉢は毎日朝6時頃に行われます。
100人以上の仏教僧が列をなして歩きますが、30分ほどで終わってしまうので6時前には托鉢場所に到着するようにしましょう。
時間が近くなると托鉢ツアーのバスも多数到着し、一気に賑わいだします。
托鉢の参加方法・参加費用
托鉢はその時間にそこに行けば参加可能です。
参加費用も特にはかからないのですが、せっかくの托鉢は写真を撮るだけではなく実際に喜捨(お坊さんに物を渡すこと)したいですよね。
観光客の多いエリアではラオスの主食であるカオニャオ(もち米)を売っている人が並んでいます。
ラオスの言葉でカオニャオと呼ばれるもち米は1つあたり10000~20000キープほど。
現地の方は手で掴んでお米を渡すのですが、プラスチック製のしゃもじもつけてくれました。
朝6時前にシサバンボン通りに到着して、このカオニャオ(もち米)を購入すれば托鉢に参加する準備は完了しました。(本記事の末尾もぜひご覧ください)
道路に並んでいる小さな椅子に座ってお坊さんが歩いてくるのを待ましょう。
列をなして歩いているお坊さんが持っている壺に少しずつカオニャオを喜捨していく体験は忘れられない体験になります。
ルアンパバーンでの托鉢体験記
先日、実際に「シサバンボン通り(Sisavangvong Road)」で托鉢を体験してきました。
朝5時半のシサバンボン通り、托鉢に参加する人用の椅子が並べられています。
托鉢のために何も準備をしていなくても、目の前にもち米を売っているのでそれを購入。1万キープでした。
しばらくすると左右の席も観光客の団体でいっぱいになっていました。
そして、お坊さんが歩いてきます。
このような形で銀色の壺を持ったお坊さんが歩いてきます。
喜捨する人の前では壺の蓋を開けてくれるので、その壺の中にカオニャオやお菓子などの食べ物を喜捨していきます。
お坊さんの行列は30分ほど続き、その場で買ったカオニャオ1つでは途中でなくなってしまい、全員に喜捨することはできませんでしたが、地元の方も全員に対して喜捨するわけではないようです。流石に100人分はないですからね。そのかわり、喜捨する人も次々にやってくるので全員に対してしっかりと喜捨が行えるようになっていました。
ラオスの仏教文化
実は、ラオスの仏教はラオスの生活に深く根付いています。
ラオスでは貧しい家庭の出身の人が出家することも多く、出家した修行僧は喜捨によって生活を成り立たせています。
ラオスの仏教は上座部仏教であり、出家することによって救われるという教えであり、出家をしない人はお坊さんに対して喜捨を行うことで徳を積む事ができるという教えになっています。
なので、一般の人は喜捨を行うことで徳を積み、お坊さんはその喜捨によって生活を成り立たせるという循環ができているのです。
その循環に少しでも関われるのが托鉢体験です。
托鉢の注意点
しかしルアンパバーンでは托鉢があまりにも観光化されているため、その弊害も実はあります。
ルアンパバーンの寺院では以下のような注意書きが掲示されています。
日本語もあるので拡大して見てみましょう。
一部抜粋すると、
- お布施は、それがご自身にとって意味深く、かつ敬意を持って行う人ができる人に限りお願い致します。
- お布施のご飯は、托鉢のコースに出ている売り子ではなく、ローカルマーケットで前もってお買い求め願います。
とのこと。
もちろん宗教上の重要な儀式なので意味深く、敬意を持って行う必要があることは理解できます。
ただ、托鉢のコースでカオニャオ(もち米)を売っている売り子からは買わないように、と注意書きがあったのです。
これには正直驚きました。なぜなら、ほぼ全ての観光客が托鉢の列の前にある売り子からカオニャオを購入して喜捨していたからです。
実は托鉢の列の途中に、お坊さんがカオニャオを捨てる籠が置かれています。
あまりにも多くの観光客がカオニャオを喜捨するためか、お坊さんがカオニャオを入れるかごがところどころに置かれていたのです。
その後現地の方がこのかごを持っていったことから、なにかに活用されているように思えるのですが、なんだかもったいないと思う気持ちも生まれてしまいました。
確かに、もち米ばかり大量にもらっても、困りますよね・・・・。
地元の方はお手製の鶏肉などのおかずを喜捨していう方もいたほか、袋に入ったお菓子やインスタント麺、お金などを喜捨することもあるそうです。
もちろん、カオニャオの喜捨がそれすなわち害ではないですし、観光客が多数集まることによってルアンパバーンの経済が回っていることもお坊さんも理解していると思うため、嫌な顔は一切されませんし、外国人がこの喜捨の文化の輪に加わること自体は良いことだと思いますが、この注意書きを見た今としてはカオニャオ以外の実際に喜んで食べて頂けるような物を喜捨したいと思うようになりました。
次に訪れる時は、お口にあうかわからないのですが日本のお菓子などを持っていくなど、その場でカオニャオを買わない方法を考えようと思います。